QBSH2021立ち読み
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□□□解法の要点解法の要点解 説解 説正 解 1扶助関係があるとされた.て寄与する財のことをいう.福祉団体に対する信頼と認知に関わる概念である.ことをいう.空間をモデルにしている.88 福祉社会づくりに関わる次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい.1 ポランニー(Polanyi,K.)の互酬の議論では,社会統合の一つのパターンに相互2 ブルデュー(Bourdieu,P.)が論じた文化資本とは,地域社会が子育て支援に対し3 ホネット(Honneth,A.)が論じた社会的承認とは,地域社会における住民による4 デュルケム(Durkheim,E.)が論じた有機的連帯とは,教会を中心とした共助の5 バージェス(Burgess,E.)が論じた同心円地帯理論は,農村の村落共同体の共生 ポランニー,K.,ホネット,A.が初出である.ブルデュー,P.,デュルケム,E.,バージェス,E.W.は「社会理論と社会システム」で繰り返し出題されている.難問であるが,過去問や本問を通して,各学者の代表的な理論の概要を確認しておこう.1○ ポランニー,K.は,ポスト資本主義像として複合社会を主張した人物であり,3つの類型(互酬,再分配,交換)から構成されるとした.互酬は,資本主義発展前の未開社会からあったもので,社会において,相互に品物や金銭などが市場を介さずに行き来する(相互扶助関係にある)ことをいう.(RB p. 181)2× ブルデュー,P.によると,文化資本は国家の情報資本の中の重要な一部であり,蓄積・承継された身体的振る舞いや,獲得した制度資格などの文化的要素を帯びるものをいう.子育て支援の考え方自体は文化的要素を帯びていると考えられるが,文化資本は経済資本に対する概念であるため,その財は文化資本とはいわない.(RB p. 130,139)3× ホネット,A.は承認形式として,一次的関係(愛),法的関係(権利),価値共同体(連帯)に分類し,その原理を愛による承認,平等原理による承認,業績原理による承認とした.社会的承認は,地域住民の福祉団体に対する信頼と認知のみに関わる概念ではなく,社会的価値評価の一部にすぎない.(RB p. 184)4× デュルケム,E.は,相互に類似した同質的な成員が機械的に結合した社会形態である機械的連帯に対置する概念として,個性的な異質の諸個人が特定の関係で結ばれる社会的結合を有機的連帯として類型した.教会を中心とした共助は,教会によって機械的に結合した社会形態によるものと捉えられるため,機械的連帯である.(RB p. 128)5× バージェス,E.W.の同心円地帯理論は,農村の村落共同体の共生空間ではなく,都市における人間空間と変動過程に関する理論である.都市を❶中心業務地区,❷遷移地帯(スラム街等),❸労働者住宅地帯,❹中流階級住宅地帯,❺通勤者地帯に区分し,これらが同心円的構造で膨張するとした.(RB p. 135) 【正答率】41.5%【選択率】1:41.5% 2:9.3% 3:13.0% 4:16.3% 5:19.9%31-234章 現代社会と福祉

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