QBSH2022
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・ 保護は,生活に困窮する者が,利用し得る資産,能力その他あらゆるものを,その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる(第1項).・ 『民法』に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は,すべて『生活保護法』による保護に優先して行われるものとする(第2項).・上記は,急迫した事由がある場合に,必要な保護を行うことを妨げる・保護は,要保護者,その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に■生活保護制度の基本原理(『生活保護法』)国家責任の原理(第1条)『憲法』第25条の理念に基づいて,国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じ,必要な保護を行い,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長する. すべて国民はこの法律の定める要件を満たす限り,この法律による保護を,無差別平等(労働力の有無,住民税納付の有無,困窮の原因などを問わない)に受けることができる.この法律により保障される最低限度の生活は,健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない.無差別平等の原理(第2条)最低生活保障の原理(第3条)保護の補足性の原理(第4条)ものではない(第3項).■生活保護制度の基本原則(『生活保護法』)基づいて開始するものとする.申請保護の原則(第7条) ➡ ただし,要保護者が急迫した状況にあるときは,保護の申請がなくても,必要な保護を行うことができる.・要保護者とは,現に保護を受けているといないとにかかわらず,保護を必要とする状態にある者をいい,現に保護を受けている者を指す被保護者と区別される(第6条第1,2項).・保護は,厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要に基づくものとし,その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする(第1項).基準及び程度の原則(第8条)・この基準は,要保護者の年齢,性別,世帯構成,所在地域その他保護の種類に応じた最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって,かつ,これをこえないものでなければならない(第2項).必要即応の原則(第9条)・保護は,要保護者の年齢,性別,健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して,有効かつ適切に行うものとする.・保護は,世帯を単位として保護の要否及び程度を定めるものとする.ただし,これによりがたいときは,個人を単位として定めることができる. ➡ 個人を単位として保護の実施が行われるのは,世帯単位の原則を適用すると,かえって最低限度の生活や,被保護者の自立を損なうといった例外的な場合である(世帯分離).世帯単位の原則(第10条)・世帯とは,原則として,同一の住居に居住し,生計を一にしている者をいう.(厚生労働省通知「生活保護法による保護の実施要領について」第1 世帯の認定). ➡ 親族だけとは限らず,住居,生計を共にする里子,使用人等,非家族員も含む. ➡ 居住を一にしていない場合であっても,同一世帯として認定することがある.222基本事項基本事項

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