QB社福2025
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 労働者災害補償保険(労災保険)に関する問題は,本問のような事例形式が多い.労働者が,どのような場合に労災保険の給付を受けることになるか,よく理解しておくとよい.労災保険給付        (RB p.219)       (RB p.217) 1× 労災保険の通勤災害に関する保険給付の対象となる.通勤災害の対象となる通勤とは,労働者が,就業に関し,住居と就業の場所との間の往復などの移動を,合理的な経路及び方法により行うことをいい,業務の性質を有するものを除く(『労働者災害補償保険法』第7条第2項).2× 雇用期間に関する要件はなく,Fさんは雇用期間が6ヵ月未満であっても,労災保険の労働者に該当し,保険給付は行われる.保険給付の対象となる労働者の定義は,『労働基準法』の定義と同義であり,職業の種類を問わず,事業又は事務所に使用される者で,賃金を支払われる者をいう(『労働基準法』第9条).3× 自己負担は1割ではない.通勤災害の療養給付を受けるに際しては,200円を超えない範囲内で一部負担金が徴収される(『労働者災害補償保険法』第31条第2項).なお,業務災害の療養補償給付については,自己負担がない.4○ 選択肢のとおり,保険給付の調整が行われる.同一の負傷や疾病について,労災保険の給付を受けることができる場合,健康保険の療養の給付は行われない(『健康保険法』第55条第1項ほか).5× 勤務先の事業主が労災保険料を滞納していても,Fさんに労災保険の給付は行われる.この場合,事業主は,労災保険の給付に要した費用の相当額の一部について徴収される場合がある(『労働者災害補償保険法』第31条第1項第2号).  事例を読んで,労働者災害補償保険(以下「労災保険」という.)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい.〔事 例〕 運送会社で正社員として働いているFさんは,合理的な経路及び方法により通勤中,駅の階段で転倒し,負傷した.1 Fさんの負傷は業務災害ではないので,労災保険の給付は行われない.2 Fさんの雇用期間が6ヵ月未満である場合,労災保険の給付は行われない.3 Fさんが療養に係る労災保険の給付を受けられる場合,自己負担は原則1割である.4 Fさんが療養に係る労災保険の給付を受ける場合,同一の負傷について,健康保険の療養の給付は行われない.5 Fさんの勤務先が労災保険の保険料を滞納していた場合,労災保険の給付は行われない.正 解 4【正答率】81.8%【選択率】1:3.0% 2:6.8% 3:6.4% 4:81.8% 5:2.0%労災保険解法の要点解法の要点レビューブックレビューブック解 説解 説 14 21問133

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