「社会」を総合的なものではなく,個人間の相互作用のなかに見出し,心的相互作用の形式(支配と従属など)を重視した.規範や慣行,制度など,個人を外部から強制力をもって拘束する集合的現象を社会的事実と呼ぶ.社会的事実を観察することで,社会は客観的に把握することができるものであると主張する立場が方法論的集団主義である.同じ大きさの玉を結びつけて作られる数じゅ珠ず(環)のように,同質的な成員や集団が集まり,結合することで形成された社会形態のこと.➡例)同じ組織構造をもつ部族が複数集まって形成される部族社会・成員や集団が,互いに異なる仕事を分担し合うこと(分業)によっ ➡ 例)農業や工業,サービス業など,様々な産業で様々な人が働くて形成された社会形態のこと.ことで成立している現代社会・デュルケムは,近代化とともに社会の結合形態が機械的連帯から有機的連帯へと発展すると考え,そして有機的連帯に発展しない分業の異常状態をアノミー的分業と呼んだ.社会的規範の動揺,崩壊などによって生じる,それまで抑えつけられていた行為や欲求の無規制状態のこと.❶ 集団本位的自殺:社会との結びつきが強く,集団の規範・価値体系に絶対服従することから生じる自殺.❷ 自己本位的自殺:社会との結びつきが弱く,個人が集団から切り離され孤立することによって生じる自殺.❸ アノミー的自殺:社会からの拘束が弱く,個人の欲求が無限に増大し幻滅や虚無感が生じることによる自殺.このうち,❷と❸を近代的自殺であるとデュルケムは考えた.112 ★★★▼古典社会学ジンメル, G.(Simmel, G.)(p.118参照)デュルケム, E. (Durkheim, E.)(p.118参照)形式社会学方法論的集団主義(方法論的集合主義)機械的連帯(環節的社会)有機的連帯(有機的社会)アノミー自殺の3類型34-19-231-23-436-20-431-23-435-16-533-21-51 社会学の視点社会学の理論古典社会学
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