02北里大学東病院にて、医療ソーシャルワーカーとして長きにわたり相談支援に携わる。現在は大学で教鞭をとる傍ら、相談援助のプロフェッショナルを対象にした研修をこれまでに 500 回以上担当。現場経験と教育の両面から、「本当に役立つ相談援助」を伝えることに力を注ぐ。子どもや保護者などが気軽に立ち寄れる新たな居場所「cafe kulübe」のオーナーも務めている。AI やロボットの進化によって、多くの仕事が自動化されています。書類の自動作成、チャットボットによる相談対応、自動車の自動運転、銀行業務のオンライン化、病院での画像診断まで……。この先 10 年で、今ある仕事の一部はなくなっていくと言われています。でも、人間にしかできない仕事があります。それが「社会福祉士=ソーシャルワーカー」の仕事です。社会福祉士は、病気、障がい、生活困窮、家庭の問題など、様々な困難を抱えた人に専門的な支援をする専門職です。ただ制度を教えるのではなく、その人の人 生や想いに耳を傾けながら、複雑な社会保障制度や民間 の力を組み合わせ「その 人らしく生きる (well-being)」道を一緒に探す仕事です。AI がどれだけ賢くなっても、人の感情を読み取ったり、その気持ちに沿った対応をして信頼関係を築くことはできません。社会福祉士は、人と人とのコミュニケーションを媒介にして専門的支援を行う仕事です。どんなにテクノロジーが進んだとしても、より深く “ 人 ” に関わる仕事としてますますその価値が高まっています。もちろん、ただ資格を取るだけで活躍できるわけではありません。大切なのは、目の前の人を理解しようとする気持ちと、日々学び続ける姿勢です。面接技術、社会保障制度、医療や法律の知識、人に対する感受性などが求められます。「誰かの力になりたい」「人と深く関わる仕事がしたい」と思っているなら、自信をもって社会福祉士資格を取得して下さい。AI が業務を代替していく時代に、社会福祉士は “ なくならない仕事 ”、そして “ 誰かの希望になれる仕事 ” です。今、この学びが、10 年後のあなたを支える力になります。立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科 特別専任教授松山 真先生あなたの目指す未来は、どんなものでしょうか?これからの時代、どんな仕事が生き残るのでしょうか?社会福祉士という未来の選択肢A I時代に「人間にしかできない
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