正解：3

【解法の要点】
重層的支援体制整備事業に関しては，第34～36回で毎年出題されている．重層的支援体制整備事業における各事業についても出題される可能性があるため，内容をおさえておきたい．また，事業が創設された背景も理解しながら学習してほしい．

【解説】
1×　市町村は，地域生活課題の解決に資する包括的な支援体制を整備するため，重層的支援体制整備事業を行うことができる（『社会福祉法』第106条の4第1項）．2021（令3）年度から施行された任意事業である．

2×　重層的支援体制整備事業の実施に要する費用は，都道府県ではなく市町村の支弁とする（第106条の7）．なお，国，都道府県は市町村に対して，重層的支援体制整備事業の費用の一部を交付金として交付する（第106条の8, 9）．

3〇　「地域共生社会推進検討会最終とりまとめ」では，断らない相談支援，参加支援，地域づくりに向けた支援を，一体的に行う新たな事業の創設が提言された．

4×　選択肢は，包括的相談支援事業に関する説明である（第106条の4第2項第1号）．地域づくり事業では，世代や属性を超えて交流できる場や居場所を整備し，交流・参加・学びの機会を生み出すために個別の活動や人をコーディネートする．また，地域のプラットフォームの形成や地域における活動の活性化を図る（第106条の4第2項第3号）．

5×　選択肢は，アウトリーチ等を通じた継続的支援事業に関する説明である（第106条の4第2項第4号）．多機関協働事業では，市町村全体で包括的な相談支援体制を構築し，重層的支援体制整備事業の中核を担う役割を果たしていく．また，支援関係機関の役割分担も図る（第106条の4第2項第5号）．