正解:1,4
【解法の要点】
社会福祉法人制度改革は,2016(平28)年の『社会福祉法』等の改正により実施された.制度改革の背景を理解した上で,改正内容を確認しておこう.
【解説】
1〇 社会福祉事業又は公益事業を行うに当たり,日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者に対する無料又は低額の料金で福祉サービスを積極的に提供するよう努めなければならない(『社会福祉法』第24条第2項).これが地域における公益的な取組を実施する責務の規定である.
2× 評議員会は,任意設置の諮問機関から必置の議決機関となった.社会福祉法人は,評議員,評議員会,理事,理事会及び監事を置かなければならない(第36条第1項).
3× 運営の透明性を確保するため,計算書類などの公表は義務であることが法令上,明記された.社会福祉法人は計算書類などを,インターネットの利用により,遅滞なく公表しなければならない(第59条の2第1項, 「社会福祉法施行規則」第10条).
4〇 社会福祉充実計画とは,社会福祉事業もしくは公益事業の既存事業の充実又は新規事業の実施に関する計画である.社会福祉充実残額がある場合に作成し,所轄庁に提出し,承認を受けなければならない(『社会福祉法』第55条の2第1項).
5× 選択肢は,2000(平12)年の『社会福祉事業法』等の改正により結実した社会福祉基礎構造改革において掲げられた理念である(厚生省「社会福祉基礎構造改革について(社会福祉事業法等改正法案大綱骨子)」).社会福祉法人制度改革は,公益性・非営利性を確保する観点から制度を見直し,国民に対する説明責任を果たし,地域社会に貢献することを徹底するため行われた(厚生労働省「社会福祉法人制度改革について」).