
前回は、新出題基準が適用された初めての第37回国試のうち、特に大きく変わった問題形式についてお伝えしました。
今回は、メリハリをつけて学習できるよう、全129問・645選択肢をジャンル別に分類した結果を見ていきます。
新カリ適用後、初めての国試(第37回)を分析!part2
①「人物」や「歴史」に関する選択肢は意外と少ない
②「人物」をパーフェクトにおさえても5点/129点
③日本の現行制度の概要をおさえましょう
①「人物」や「歴史」に関する選択肢は意外と少ない

グラフは、第37回国試の全645選択肢をジャンル別に分類した結果です。
法令やガイドラインなど、「制度」の理解を問う選択肢の割合が最も多いことが分かります。
そして、受験生の皆さんが特に苦手意識をもつ「人物」(人名とその理論・行ったこと)や「歴史」(発展過程,年号・出来事)に関する選択肢の割合は意外と少ないのです。
②「人物」をパーフェクトにおさえても5点/129点
選択肢で分類した結果は前述のとおりですが、問題数ベースでジャンル分けすると、「人物」は5問/129問、「歴史」は6問/129問でした。
人物の名前やその人が示した理論、その人が何をした人なのかは、体系立てたり関連づけたりして覚える方法が通用しないことも多く、単発で覚えなくてはならない分、苦手意識をもつ受験生は多いと思われます。
ニィリエやリッチモンドといった国試でおなじみの有名人以外は、誰が出題されるか予測できません。
多くの時間と労力を割いてパーフェクトに人名を覚えても、第37回国試では5点しか取れません。テキストや参考書に登場する全ての人物をおさえることは、試験対策としては効率的ではないのです。
歴史や発展過程についても同様です。老人医療費の無料化や国民皆保険・皆年金の年号など、よく出題されるもの以外は、いつの時代の何が出題されるか予測できません。
パーフェクトに年号と出来事を押さえても、第37回国試では6点です。
③メリハリをつけた試験対策がポイント!
日本の現行制度の概要をおさえましょう
授業や実習、アルバイトなどで毎日忙しい受験生にとって、試験対策としては、より多く得点できる内容に的を絞ってメリハリをつけて勉強することがポイントになります。
出題範囲がとても広い社会福祉士の国試では、全てをパーフェクトには覚えることはできません。また、国試後、全てを覚えていなくても必要なときに必要な情報を探す手段があれば、社会福祉士として活躍できます。
人物や歴史に漠然とした不安をもつ受験生の皆さんは多いですが、合格することを目的とした試験対策としては、日本の現行制度の概要をおさえることが点を稼ぐために効率的です。
支援対象者にとって必要な制度につなぐ役割を社会福祉士が担うことを踏まえれば、制度の理解は大切です。
『レビューブック』は、教科書が追い付いていないような最新の法改正や新法などにも対応しています。
社会福祉士として活躍するようになってからも、自らの専門分野ではない法令について概要を確認する際に『レビューブック』を利用している読者も多くいらっしゃいます。
また、過去10年間の問題番号を掲載しているため、試験対策として、よく出る論点を把握することができます。
優先的におさえる人物、出来事などを、過去問の問題番号で出題頻度を確かめ、的を絞って覚えるという勉強方法をとるときにもお役立ていただけます。
『レビューブック』や『クエスチョン・バンク』の活用法は、また改めてご紹介する予定です。
◇「人物」や「歴史」よりも、「制度」の問題の方が圧倒的に多い。
⇒国試としては、全ての人の名前や年号が覚えられなくても、諦めなくて大丈夫!
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よく出るジャンルや論点に的を絞ってメリハリをつけた試験対策がポイント! ⇒試験対策では,優先的におさえる人物、出来事、法令などを過去問の問題番号で出題頻度を確かめ、的を絞って覚える方が効率的。
※日頃の学習では、理論や発展過程も社会福祉の視点として、またソーシャルワーカーとしてとても大切ではありますが、試験対策としては優先順位を意識しましょう。
次回は、弊社が国試直後に毎年行っている「合格予報」の結果から、受験生の皆さんが国試に向けて勉強を始めた時期などをみていきます。
▶≪前回の記事≫【福ぞう通信】新カリ適用後、初めての国試を分析!part1(2025.10.3号)
→https://fukushi.medicmedia.com/teacher-post/2025/09/3001/




