第29回国試を終えて 社会福祉士国家試験 受験者による座談会

みなさん,試験お疲れさまでした!

今日は第29回社会福祉士国家試験を終えたばかりのみなさんに,いろんなお話を伺いたいと思います.よろしくお願いします!

今回の試験はどうでしたか?

やや難しいなという印象です.

難しい問題と易しい問題の差が大きいと思いました.

Cさん…大学4年生.4月からは知的障害者施設で生活支援員として働く.キャリアアップのため卒業後も福祉の勉強を続けようと思っている.

僕はあまり勉強できなかったのもあって…難しかったです.

Bさん…大学4年生.福祉をより深く学ぶため大学院に進学する.その後どうするかはこれからゆっくり考えたい.

午前の共通科目は,過去問と傾向が違いました.「これ過去問で見たことある!」と感じた問題が少なかったです.午後の専門科目では過去問に似たのもありました.「就労支援サービス」と「更生保護制度」がそうでした.

Aさん…大学4年生.卒業後は福祉職の公務員として市役所で働くことが決まっている.社会福祉士の資格は必須ではないが,大学4年間の集大成として受験した.

特に「社会理論と社会システム」で人名が出なかったのが衝撃的でした.いつも出てるのに~.しかも,必ず出ると聞いていた新しい人名も出なかったです.

Dさん…専門学校生.福祉の世界を目指して会社員を辞め,社会福祉士養成施設に入学した.4月からは知的障害者施設で生活支援員として働く.

デュルケムとかウェーバーとか,いつも出てくる人が出なかったですね(笑).理論の内容の理解が必要な問題が出されていましたね.

人名と理論の組み合わせをただ暗記するだけではダメだと思い知らされました.

みなさん事例問題はどうでした?僕は各科目に1問はサービス問題があったように思います.

実践的な問題も増えましたよね.法律や制度について基礎知識が頭に入っているのが前提で,そのうえで社会福祉士として実際にどう対応するかを判断する必要がありました.

確かに.頭をひねらないと解けない問題が多かったです.

印象に残った問題はありましたか?私が「何これ?」思ったのは問題102.「行動変容アプローチに基づく行動の表現」って何だろう?って.

わかります!

私は,5つの選択肢から仲間はずれのものを探しました.「4 弟が持っているおもちゃを横取りします」だけが他と違うなって.

たしかに!問題130「高次脳機能障害の人への排泄の介助」も難しかったですよね.みなさんどれを選びました?私は2と4です.

1と3…

1と2!

ああ,すでにバラバラですね.「見当識障害」とか「失認」とか,こういう言葉の意味も知らないといけないんだなと思いました.

クラスメートの介護福祉士に見せたら,「これは私たちにも難しいよ~」と言っていました.

正解発表までドキドキです.

出題形式に変更はありましたか?

例年どおり,5肢択1と5肢択2が基本でした.

各科目の問題数も変更ありませんでした.

「2つ選べ」は午後の専門科目に多かったです.特に「高齢者に対する支援と介護保険制度(以下,「高齢者」)」に5問も出ていました.(※1)

(※1 この年の5肢択2問題は12問.前年の13問から1問減少しました.)

そうそう.「本当に2つ選べで大丈夫かな?」って何度も確認しました.

今回は問題文と選択肢が過去問より短くなって,読みやすくなりましたね.

そうですね.だからといって,問題自体が簡単になったというわけではなかったですが.

みなさんの勉強方法は?

僕は教科書を精読して,問題集『QB』(※2)を解くというスタイルでした.『QB』のいいところは,出題基準にそって問題が並んでいるところです.だから,頭から解けばガイドラインをひととおり網羅できるのがよかったです.科目によって2,3周解き直して,苦手だった「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」と「高齢者」,「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」は何度も繰り返しました.

(※2 『QB』とは『クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説』を指します.)

国試の勉強は,大学で予備校講師による講座があったので,そこに参加しました.テスト前の勉強には参考書『RB』(※3)を使っていました.学校のレジュメで分からないことがあれば『RB』で調べて補足する,という感じです.『RB』は1年生のときに買ったものをずっと使っていたので,法改正などで変更があった内容は自分で付け足していました.

(※3 『RB』とは『社会福祉士国家試験のためのレビューブック』を指します.)

2年生のころから,大学の国試対策専門の先生による講座に参加しました.ずっと参加して知識の貯金があったので,本格的に『QB』を解き始めたのは1月からで,最終的に2周しました.『RB』は,書き込むというよりも間違えたところを書き写したり,自分なりにノートにまとめ直したりという使い方でした.

私の学校は1年間の養成施設なので,大学生のみなさんに比べて時間が本当に足りないんです.たった1年で初心者から国試レベルまで持って行かないといけない.だから,早くから過去問に慣れるため,4月と5月は第28回の問題を,ゆっくり時間をかけて解きました.80点くらい取って,勉強を続けたら何とかなると思えました.秋になると学校で古い模試問題を演習する時間がありました.自分でも問題集や参考書を進めていました.あと,模試も3回受けました.

『QB』や『RB』は使いました?

使いました.ただ,最初は知識がなさすぎて頭から『QB』を解くのが難しかったんです.だから,回数ごとに分かれた過去問で問題形式に慣れて,ひととおり履修が終わってから科目ごとの理解を深めるために『QB』を解く,という使い方でした.そうすると,苦手科目だけをひたすら解くとか自分なりの使い方ができたのでよかったですね.『RB』はいろいろ書き込んで「My RB」(※4)を作りました!余白が少ないところには自分でメモを貼りつけて書き込んだり,マーカーを引いたりしました.

(※4 自分だけのオリジナル参考書「マイ レビューブック」のこと.)

法改正などの新しい情報はどのように入手していましたか?

対策講座で先生に教えてもらいました.

僕も学校の先生から聞きました.

私もです.クラスメートで介護の仕事をしている人や,民生委員として働いている人がいて,「○○が改正されたよ」って教えてくれることもありました.

私はTwitterを活用したり,学校に案内が来る研究会やシンポジウムに参加したりして情報をゲットしていましたね.そこでは,例えば生活保護がテーマだったら,その制度の基礎から説明してくれるので復習になるんですよ.

Twitterはどうやって使ったんですか?

「リスト機能」を活用しました.福ぞうくんとか,福祉系の新聞とか,関係するアカウントでリストを作成すると,それだけのタイムラインを作ることができます.それをチェックすることで,福祉の情報に毎日触れることができるようにしました.アカウントを持っている人にオススメです.それから,メディックメディアのホームページでも新しい情報や法改正について掲載されるので,ありがたかったです.

 

―――みなさんそれぞれ自分にあった勉強法を実践していて,興味深いですね.その中心となったのが『QB』と『RB』だったのは福ぞうもうれしいです!

最後に,これだけは言っておきたい!と思うことや,これから受験する方へのアドバイスをお願いします.

はい!ぜひ言っておきたいことがあります!

なに?なに?

試験中に,コンタクトレンズが外れたんです!

ええ~っ!?

ハードコンタクトを使っているんですけど,ポロッと取れてしまって.試験中に手を挙げて「落としました」とも言えなくて….「もうどうしよう…」という感じで,片目は裸眼のままで試験を受けました.だから,コンタクトユーザーの方には,万が一に備えて,メガネを持って行くことを絶対に忘れないでほしいです!!

私は文章を読むのが人より遅いんです.だから,試験中にトイレに立つことだけは防ぎたいと思って,飲み物を工夫しました.利尿作用のある冷たいものやカフェインが多いもの,例えば冷たい緑茶やウーロン茶は避けて,温かいほうじ茶を持参しました.香りでリラックスできるのも好きでした.

結果に自信がないのですが….試験後に友人たちが自己採点の結果を話し合っているのを見て,いたたまれない気持ちになってしまいました.だから,これから受験する人たちに,というよりも去年の自分に「とにかく頑張れ!」と言いたいですね.

「最後の最後まであきらめないで!」と言いたいです.自分自身,公務員試験の時期には国試のことを考えられませんでしたが,対策講座は必ず参加しました.模試の結果も悪かったのですが,もうダメだと思わずに勉強を続けることが大切だと思います.試験前日には15時間くらい勉強しましたが,最後まで粘ったことで自己採点でもいい結果が残せたと思っています.自分の性格から,「働きながらの試験勉強はムリだ」と思っていたので,この試験を最初で最後にしようと決めていました.気持ちを強く持つことが大切だと思います.

模試の結果は良くても悪くても,あてにしすぎるのはよくないです.成績が良くて「もう余裕だ~」と思っていた人が落ちた話も聞いたし,悪かったからといってメンタルをやられるのももったいないです.あくまでも,自分の弱点を見つけるツールとして活用するのがいいんじゃないかなと思います.

 

―――みなさん,貴重なお話ありがとうございました.これから受験するみなさんも,先輩の体験談やアドバイスを活かして頑張っていきましょう!