第30回国試を終えて 社会福祉士国家試験受験者による座談会
みなさんこんにちは!
今日は第30回社会福祉士国家試験を終えたばかりのみなさんに,いろんなお話を伺いたいと思います.よろしくお願いします!
今回の試験はどうでしたか?
午後の専門科目しか受けていませんが,少し簡単になったかなと思いました.時間がだいぶ余りました.
Dさん:専門学校生 精神保健福祉士として働いていたが,仕事の幅を広げるため一念発起して社会福祉士養成施設に入学した. |
僕も過去問や模試よりも簡単だったと思います.自己採点では過去最高点でした.僕も時間が余りました.
Cさん:大学4年生 卒業後は福祉職の公務員として特別区に就職する.残りの学生生活は2つのアルバイトに励む毎日. |
午前の共通科目は,やや簡単~普通だと思いました.専門科目は,文章をしっかり読めば正解できる事例問題が印象的でした.
Bさん:大学4年生 卒業後は社会福祉協議会で働く.社協で働くからには資格取得は必須だと考えている. |
私はあまり時間をかけて勉強できなかったので,ちょっと難しいなと思いました.
Aさん:大学4年生 卒業後は福祉職の公務員として市役所で働くことが決まっている.児童相談所で働くのが目標. |
今回は,びっくりさせられる問題が多かったです.印象に残っているのは,問題15の裁判員制度,問題56の障害者スポーツです.「ゆうあいピック」や「フェスピック競技大会」など初めて目にするものもあり,完全にノーマークでした.
私もスポーツの問題は全然分からなかった….問題21は児童虐待の「検挙状況」が問われたのですが,よく目にする「通報件数」と思い込んでしまい,引っかかってしまいました.
僕は問題77の国民の義務の問題にびっくりしました.中学の公民で習うようなことが,国試で出るのか~と思いました.
問題128の対麻痺についての問題は,科目は「高齢者」ですが,「人体の構造と機能」で出るような内容だと思いました.この科目で出るんだ!みたいな.ほかにも,科目をまたいだ出題がいくつかありました.
今回はボーナス問題もありましたね.
問題137の糸賀一雄を答えさせる問題はサービスでしたね.こんな基本的なことが出るなんて,今まであまりなかったように思います.
いつもより簡単だったので,「こんなに簡単でいいのか?」と逆に不安になりました.裏を読むことが必要なんじゃないか,と勘ぐってしまいました.基本的なことをしっかり勉強した人が受かるような試験だったと思います.
事例問題は,実践的な問題が多いなと思いました.しっかり実習に取り組んでいたら,解ける問題だったと思います.
出題形式に変更はありましたか?
例年どおり,5肢択1と5肢択2が基本で,各科目の問題数も変更ありませんでした.
「2つ選べ」は午後の専門科目に多かったです.
(※この年の5肢択2問題は12問で,前年と同じでした.)
問題18の65歳以上の者のいる世帯の構造は,「世帯数の多い上位2つを選べ」という変わった形式の二択でした.そういうタイプの問題は,過去問でも見たことがなかったです.
その問題は,『RB』に載っていることがそのまま出ていたので,「ラッキー!」と思いました.
今回から,受験手数料の値上げがありましたが,どう思いましたか?
「高い!」と思いました.私は福祉職の公務員になるので,不合格だったら再受験するつもりですが,民間企業に就職する人は,受けない人もいるでしょうね.
記念受験の人が減り,本気の人だけが受けるようになるのではないでしょうか.私は専門科目分だけ払えばよかったのですが,半分しか受けないのにあまり安くないと思いました.
僕は,いっそう気を引き締めて勉強しようと思いました.個人的には,国家資格の受験料としては妥当な金額だと思っています.
率直に,嫌だなと思いました.値上げは仕方ないのかもしれませんが,極端に上がるなと.
みなさんの勉強方法は?
私は本格的に過去問を解き始めたのは12月からなんです.公務員試験を受けていたので,その分知識のストックがあると思っていました.スキマ時間に1問1答の問題集を解くのが好きでした.
参考書の『RB』(※)は,分からないことを調べるために辞書のように使っていました.
(※『RB』とは『社会福祉士国家試験のためのレビューブック』を指します.)
私は学校の定期試験対策として過去問を解いていました.実習でちょっと中断したのですが,その後11月から再開しました.1年制の学校なので試験まで時間がなく,スキマ時間が重要だと思い,1問1答のアプリを使って問題を解いていました.
『RB』は,僕も辞書代わりに使ったり,学校のレジュメの内容を書き込んだりして使っていました.
8月から9月にかけては,就活もありましたが,学校の国試対策講座をフル活用し,10月から12月には模試を月1回のペースで受けていたので,自分で過去問を解いたのは今年の1月からです.
集中が長く続かないタイプなので,問題を解くときは,150問を2時間で解き終え,答え合わせは30分で済ませるようにしていました.書いて覚えるのが苦手なので,『RB』を読んで視覚から覚えるようにしていました.
いろんな本に手を出さず,参考書は『RB』,問題集は『QB』(※1)だけを使っていました.
7月から勉強を始めたのですが,まずは『RB』を章ごとに切り離して持ち歩きしやすいようにし,いろいろ書き込んで「MyRB」(※2)を作りました!模試を受ける10月までに一通り読み終えるのを目標にしていました.進め方としては,『RB』を1章分読んで,その章の『QB』を解く,という流れです.『QB』は出題基準ごとに問題が並んでいるので,ひととおり解けばその内容を網羅したことになります.
12月に入ったら,試験での時間配分を意識して回数ごとの過去問をインターネットで入手して解きました.
(※1『QB』とは『クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説』を指します.)
(※2「MyRB」とは自分だけのオリジナル参考書「マイレビューブック」のこと.)
―――みなさん自分なりのスタイルで勉強していたのですね.では次の質問です.
法改正や制度改正などの新しい情報はどのように入手していましたか?
大学の夏休みの国試対策講座で,先生に改正内容のプリントを配っていただいたので,それを利用しました.
ほかに,福ぞうくんのLINEやホームページの「TOPICS」を活用しました.新しい情報や法改正について掲載されるので,役立ちました.あと,試験には出ないかもしれないけど,家では新聞を読んで,時事ネタを仕入れるようにしました.
僕は自分で書いてまとめるのがおっくうなので,ゼミの先生に話しを聞いて,そのまま覚えていました.
私も学校の先生のプリントが主でした.そして,メディックメディアでのアルバイトも大いに役立ちました.
公務員試験のときは,学校の先生がまとめたプリントを使いました.福ぞうくんのTwitterをフォローしていたので,そこで流れてくる情報を確認するのも日課になっていました.
―――福ぞうのホームページやTwitter,LINEがお役に立てたのはとてもうれしいです!
最後に,これだけは言っておきたい!と思うことやこれから受験する方へのアドバイスをお願いします.
これから受験する皆さんに,ぜひお伝えしたいエピソードがあります!午前の共通科目の解答用紙が回収されるときに,問題67だけマークしていないのを見つけたんです!解き終わってから2回は見直したのに….
あまりに衝撃だったので,問題番号まで細かく覚えているんですが,得点できる設問だったのに,落としてしまったのが悔しくて….
マークがズレてしまった?
幸い,それはまぬがれました.私は,問題冊子の頭から解くのではなく,最初に全体を見渡して解けそうな科目から解いていたので,ズレはなかったです.でも,見直したのに気づかなかったことがショックで,お昼休みは勉強どころじゃなかったんですよね.午後の専門科目は自分への怒りをエネルギーに変えて解きました.
だから,これから受験される方には,見直しは何度やってもやりすぎることはないし,マークミスがないか丁寧に点検してください!と伝えたいです.
私は,問題の配付からスタートまでの待ち時間20分が長く感じて,とても緊張しました.リラックスするために手をさすって暖めていました.
自分なりの緊張をほぐす方法があるといいのかなと思います.問題を解くときも緊張すると思いますが,落ち着いて選択肢を見ると正解を見つけられるので,1つひとつ丁寧に進めるとよいです.
学校が夜間コースだったので,自分も含め昼は仕事や実習,夜は学校…とかなり忙しく過ごしていました.使える時間が限られる分,効率的に勉強を進めていく必要があったので,スキマ時間を利用したことがよかったと思います.
働きながら勉強する人は,時間の使い方がカギになると思います.
僕の受験会場は女子大学だったんですが,男子トイレが1か所だけで,大混雑でした.女子トイレが混むのは聞いていましたが,逆パターンもあるのか…と思いました.女子大が会場になった男性は,心しておいたほうがいいと思います.
あと,模試と国試本番でこんなにも雰囲気が違うのかと驚きました.どうしても緊張すると思うので,落ち着くための方法があるといいと思います.僕は,これまでの自分の頑張りを思い出すと,緊張がほぐれました.
これまで,「壁があっても乗り越えた」という経験はほとんどの人がしていると思います.そういったことを思い出すと,「自分はできるんだ!」と自信を持つことができます.
みなさん,合格目指して頑張ってください!
貴重なお話ありがとうございました.これから受験するみなさんも,先輩の体験談やアドバイスを活かして福ぞうと一緒に頑張りましょう!